エンクド開発

Irodori-TTS-Quick-Start 導入時のトラブル

1. インストール中のトラブル

インストール画面(黒い画面)が途中で止まって動かなくなりました

原因: CUDA (NVIDIA GPU) を使用するための PyTorch... のステップでは、AIを動かすための巨大なファイル(数GB)をダウンロードしています。インターネット回線によっては10分〜数十分ほど画面が止まったように見えることがありますが、裏で処理が進んでいます。

解決策: エラーメッセージが出ない限り、途中で画面を閉じずにそのままお待ちください。もし途中で閉じてしまった場合は、一度フォルダを削除し、最初からやり直してください。

「ウイルスを検知しました」「WindowsによってPCが保護されました」と表示されて進みません

原因: インストール用スクリプト(install.bat)がインターネットから必要なプログラムを自動ダウンロードする挙動が、Windows Defenderやセキュリティソフト(ノートン、ウイルスバスターなど)に「疑わしい動作」として誤検知されることがあります。

解決策:
・「WindowsによってPCが保護されました」と出た場合: 画面内の「詳細情報」をクリックし、「実行」ボタンを押してください。
・セキュリティソフトにブロックされる場合: 一時的にセキュリティソフトの保護を無効にするか、本ツールのフォルダをスキャン除外(例外)設定に登録してから、再度 install.bat を実行してください。

エラーが出てダウンロード(Invoke-WebRequest等)に失敗します

原因: 会社や学校から貸与されたPCなど、セキュリティ設定が極端に厳しい環境では、PowerShellを使ったダウンロードが制限されている場合があります。

解決策: 個人のPCで実行するか、ネットワークの管理者にご確認ください。

2. 起動時のトラブル(start.bat 実行時)

起動しようとすると VCRUNTIME140.dll が見つかりません というエラーが出ます

原因: AIを動かすためのプログラム(Python等)の実行に必要な、Windowsの標準部品がPCに入っていません(新しく買ったばかりのPCなどでよく起こります)。

解決策: 以下のMicrosoft公式ページから「Visual C++ 再頒布可能パッケージ」をダウンロードしてインストールし、PCを再起動してください。
x64 アーキテクチャ用 (vc_redist.x64.exe) をダウンロード

なぜかエラーが大量に出てWebUIが起動しません

原因: 本ツールを配置しているフォルダの「場所(パス)」に問題がある可能性があります。

解決策: 以下の2点を確認してください。
1. 日本語やスペースが含まれていないか: フォルダ名や、途中の経路(例: C:\Users\太郎\デスクトップ)に日本語やスペースが含まれているとエラーになります。C:\Irodori-TTS のようなシンプルな英語の場所に移動させてください。
2. OneDriveの同期フォルダ内に入っていないか: デスクトップやドキュメントフォルダがOneDriveと同期されていると、ファイルの読み書きに失敗することがあります。Cドライブの直下などに移動させてください。

すでに別のAIツールを起動しているとエラーになります

原因: 本ツールはブラウザ上で 127.0.0.1:7860 というアドレス(ポート番号 7860)を使用します。Stable Diffusion WebUIなど、他のAIツールがすでに同じポートを使っていると競合して起動できません。

解決策: 他のAIツールを一度終了させてから、再度 start.bat を実行してください。

他のAIツールと競合した際や、ポート番号が自動でずれて起動した場合(7861など)

原因: 複数のサーバーを同時に立ち上げたり他のポート競合が発生した場合、Gradioサーバーはポート番号を自動的に 78617862 などにずらして(シフトして)起動します。

解決策: 起動したコンソール(黒い画面)の最後に表示される Running on local URL: http://127.0.0.1:786X のアドレスを確認してください。拡張機能の設定ポップアップにある「TTS サーバー URL」のアドレス(例: http://127.0.0.1:7861/)も、それに合わせて修正することで正しく連携できるようになります。

3. スペック・動作に関するトラブル

音声の生成にものすごく時間がかかります / 処理が遅いです

原因: 本ツールは「NVIDIA製のグラフィックボード(GPU)」が搭載されているPCで高速に動作するように設定されています。AMD製のGPU、Intel製のGPU、またはGPUが搭載されていないPC(一般的なノートPCなど)でも動作しますが、CPUで処理が行われるため、生成に非常に時間がかかります。

解決策: 快適に動作させるためには、NVIDIA製GPU(GeForce RTXシリーズなど)を搭載したPCのご利用を推奨します。

GPU非搭載(CPUのみ)の環境でも動作しますか?

原因: NVIDIA製GPU(CUDA)での動作を推奨していますが、標準版はCPU環境でも動作可能です。ただしGPU環境と比べて音声生成に時間がかかります(※Speaker Inversion学習についてはGPU必須となります)。

解決策: GPU非搭載環境で音声合成をご利用の際は、拡張機能側の設定ポップアップにて、Device項目を cpu に、Precision項目を fp32 に設定してください。

ローカルフォルダ(gradio_outputs)直接再生を設定したら、音声が再生されなくなりました

原因: 直接再生が機能しない場合、Chromeブラウザ側のセキュリティ権限設定が不足しているか、フォルダパスの指定が間違っている可能性があります。

解決策: 以下の2点を確認してください。
1. ファイルURLアクセスの許可: Chromeの拡張機能管理画面(chrome://extensions)を開き、「Chat to TTS Linker」の「詳細」ボタンをクリックして、「ファイルの URL へのアクセスを許可する」 スイッチがONになっているか確認します。
2. フォルダパスの確認: 拡張機能の設定画面で入力した「gradio_outputs」の絶対パス(例: C:\Irodori-TTS\gradio_outputs)が正しいか、エクスプローラーのアドレスバーと見比べて再確認してください。

4. 拡張機能(学習・一括生成GUI)に関するトラブル

Speaker Inversion 学習中に CUDA out of memory(VRAM不足)エラーが発生します

原因: 話者埋め込みの最適化学習(train.py)には一定以上のGPU VRAM(目安: 6GB以上推奨)が必要です。他のAIツールやゲームなどが同時にVRAMを消費しているとメモリ不足エラーが発生します。

解決策: 他のGPU使用アプリケーション(WebUIやブラウザのハードウェアアクセラレーション等)を一度終了させてから再度学習を実行してください。また、データセット内の1音声あたりの長さが極端に長い(15秒以上など)場合は、3〜10秒程度にトリミングして分割することを推奨します。

Speaker Inversion で音声とテキストのペアが正しく読み込まれません

原因: アップロードした音声ファイル(.wav)とテキストファイル(.txt)のファイル名(拡張子を除く)が一致していないか、テキストファイルの文字コードに問題がある可能性があります。

解決策: 01.wav に対する書き起こしテキストは 01.txt のように同名で準備してください。また、テキストファイルの文字コードは原則 UTF-8(BOMなし)を推奨します。

Custom VoiceDesign で連続生成していると動作が重くなります

原因: 多数の行を一括・連続生成した際、GPUメモリ内に中間キャッシュが蓄積される場合があります。

解決策: WebUI上部の「モデルのアンロード」ボタンをクリックすることで、GPUメモリ(VRAM)のキャッシュが自動解放(torch.cuda.empty_cache())されます。大量の音声を生成する合間にアンロードをお試しください。

複数の起動バッチ(start.bat と start-custom-voicedesign.bat 等)を同時に起動できますか?

原因・仕様: 同時に起動することは可能ですが、ポート番号が自動的にシフトします(1つ目が http://127.0.0.1:7860/、2つ目が http://127.0.0.1:7861/ など)。また、複数のモデルが同時にVRAM上にロードされるため、GPUメモリ消費量が増加します。

解決策: 各バッチ起動時の黒い画面(コンソール)末尾に表示される Running on local URL: http://127.0.0.1:786X のアドレスを確認してブラウザでアクセスしてください。VRAMに余裕がない場合は、使用しないWebUIを終了させてから別のバッチを起動することをおすすめします。